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コップに花

  murasaki

猛暑続き、小さな私の工房もムワッと暑く、作業もままなりません。
コツコツと1カ月かかってやっと終えた下描きを版に転写し、1日放置してしまったら、なんと版に塗ってあったグランド
(防腐材:蜜蝋やアスファルト、松脂、乳香などをぐつぐつ煮込んで冷やし固めて作ったもの)がこの暑さで溶けて、転写がすべて剥がれてしまいました。
ひと月の仕事が、ぱあっと消えてなくなりました。

またやり直せばいいだけの話だけれど・・・。

昔に比べて、根気が段々となくなってきた気がします。

 

 

 

夕涼み

kurema学校の仕事も一段落。ひと足先に夏休みです。

夏らしい暑さもなく雨が多かった去年とは反対に、今年は猛暑続き。

局地的な豪雨はなすすべもなく多くの被害を出し、自然の力には本当にかないません。

どちらかというと夏の暑さには強く、この季節が好きでしたが、それは数十年前までのはなし。
今は冷房なくしてはやっていけないし、扇風機と、打ち水して夕涼み、なんて暑さの質が昔とは全然違います。

風鈴の音も熱風にさらされて、なんだか空しい。

せめて、涼しくなりそうな絵でもと、描いてみました。

 

 

優しい花

kusabana2おかげさまで、無事に個展を終了しました。

遠方からも、多くの方にご高覧いただくことができ、嬉しかったです。ありがとうございました!この場を借りてお礼申し上げます。

なるせ美術座での版画と水彩画の2年ぶりの個展、今回は版画の作品にも力を入れました。

他の仕事におされてなかなか手を付けられずにいた版画、ずっとやりたかったことが、少し形にできたような気がします。

これかも、もっと内容を深めていけるようコツコツと制作を続けていこうと思います。

今後ともどうぞよろしくお願いします!

 

 

個展のおしらせ

 2018

2018年5月26日から6月3日までなるせ美術座で2年ぶりの個展を開催します。

時の移ろいと共に変容する色・形。

刻々と姿かたちを変えながらも、目に見えない普遍的ななにか。

時とともに変容する色と形をテーマに制作を続けています。

 

近年、自然とりわけ森の中を題材にしていましたが、

今回はイタロ・カルヴィーノ「見えない都市」に着想を得ていくつか小品を作りました。

 

昨年旅行したクロアチアの風景や静物の水彩画、エッチングとモノタイプの版を使った作品を2部屋のスペースを使って展示いたします。

 

(水曜定休、10:30~17:30)

 

 

春の花

f1 これは3月に教室で描いた春の花シリーズ。10枚近く描いたうちの2つです。八重とか不思議な品種がいろいろ。

まだ開いていないチューリップでも、描いているうちにどんどん開いてきて、あれれ!びっくり、開いてみたらなんとでっかい芯が出てきて、なんとアネモネ。・・・確かに下のほうについている葉を見ると確かにチューリップではありませんでした。  

ラナンキュラス、アネモネ、チューリップ・・・全然違う花なのに、新しい品種はパッと見ではわかりません。

花屋さんではもう春の花は終わりのようですが、庭はチューリップが盛りです。f2

 

学校は春休み中。今のうちに個展の作品も仕上げておこうと制作に励んでいます。

版を使う作業はまとまった時間がないと落ち着いて制作できないので、この時期にかけていましたが、友人らの展覧会に出向いたり、父の入院手術なども重なって予想外に慌ただしく時間が過ぎていきます。

 

4月17日からは毎年恒例の日曜会の発表があります。皆さんの一年の成果をぜひご高覧ください。

ハーバーブリッジ

s1新しい年ももうあっという間に1か月が経ちました。暮れから正月にかけて、真っ青な大きな空が見たくてオーストラリアへ行ってきました。例によって出発4日前に飛行機の手配、ビザが必要とは知らず気が付いたのは出かける当日の朝。ETAS(ビザ)はネットで簡単に取れたからよかったけれど焦りました。まずはメルボルンに飛んでちょっと街を散策してから、国内線で滞在するシドニーへ。空港から乗った地下鉄が地上に出て、まずはじめに見たシドニーの景色は日の暮れかけた時分のハーバーブリッジ。

このかっこいい橋に魅せられて、たくさん撮った写真のほとんどは橋ばかり。
そういえば、5月に行ったボスニアヘルツェコビナの、モスタルでも橋を描きましたが・・・橋をみると、描きたくなります。

大みそかには花火大会があるというので楽しみにしていましたが、大勢の人で入場制限、騎馬隊も出動し道路はフンだらけ。すぐ近くのホテルだったにもかかわらず、高層ビルに阻まれてほとんど見ることはできませんでした。堪能(?)したのは振動と音だけ。テレビ中継からが一番よく見えたかも。

思い描いた広い空は、帰りに乗継で降り立ったブリズベンでちょっと見ただけでしたが、クリスマスや正月が夏って、なんだか不思議な感じでした。

 

 

あかねちゃん15歳

akane15 ホームページでお世話になっている、飯島さんのお嬢さんのあかねちゃん、久々に登場です。 あっという間にもう中学生活も最後の年、修学旅行の一コマからです。

 あかねちゃん0歳から毎年描き続けています。私が水彩画を描くきっかけになったのもあかねちゃん、 98年に開設したHPに水彩画を載せるようになったのも あかねちゃんの絵がきっかけです。

 ・・・98年ということは、私のページは20年続いているんだな 。

 この場を借りて、飯島さんに感謝! 

 そして、支えてくださった方々に感謝です。

 好きなもの、自分の周りの、身近なもの、心の中に入り込んだものを、これからもわがままに、描きたいものを描いていこうと思います。

 

 

 

クロアチア旅行

Dubrovnik5月のゴールデンウィーク、どこへ行っても渋滞するし例年家で過ごすことが殆どですが、今年は思い切って海外へ行ってきました。アドリア海の真珠と呼ばれるクロアチアのドブロブニクです。

ハイシーズンの7、8月はあちらこちらから観光客が集まるため混雑するけれど、5月はまだ人も多くなく、晴れて海もきれいに見えるということで、一週間前に決断、手配し(もちろん手配は夫)、出かけることにしました。

以前、20年前くらいにもイタリア経由でフェリーを使ってクロアチアへ行こうと計画を立てたのですがドタバタで行かれず、今回再チャレンジとなりました。
ドブロブニクに4泊の予定でしたが、小さい町のため他へも足を延ばしたくなり、現地で1日ツアーを探して隣の国、ボスニアヘルツェコビナのモスタルという町へ。イングリッシュガイドだったので、言っていることは何となくしかわかりませんでしたが、まあ、内戦の恨みつらみを話しているな・・というのは想像がつきました。壁には爆撃の跡を残しているところも。しかしほとんどは修復されて美しい街並みを取り戻していました。あの内戦から30年近くたつのかな。中学の生徒に「せんせーどこに行ったの?」と聞かれ、クロアチアでピンとこない様子なので、もともとユーゴスラビアだったところ、と説明したらもっと???ってな顔をされてしまいました。そうか、この子たちはまだこの世に生まれていなかったのか・・。mostal

とにかく、美しい海の色は絵にしたくてもできません!ほんっとに、こんな色があるんだな~!!というくらい澄んだ色。石灰質の白い岩肌とぎっしり並ぶオレンジ色の屋根。こんなに美しいところは絵にしちゃいけないと思ったけれど、描いてみました。上がドブロブニク、下がモスタルです。モスタルには有名な橋があるのですが、それはまたあとで描こうと思います。

滞在中は天気にも恵まれ、カラリと乾燥しているので風も気持ちよく、日中は暑いくらいでした。

今回は飛行機が5時間遅れて2度のトランジットの時間に間に合わず、結局ドブロブニクに5泊。クロアチア航空の親切で綺麗なスタッフのお姉さんに飛行機やホテルを手配をしてもらい、仲良くなって最後は一緒に写真まで撮ってきました。
そして1日遅れて帰国しました。

チューリップ

haru1  お花屋さんではもうほとんど見かけませんが、庭のチューリップは今が盛り。色とりどりに咲いています。

 ずいぶん暖かくなりました。そろそろ炬燵もしまって、衣替えしなくては。

 たくさん洗濯もしたいけれど、家にいられる日がなかなか無いのが困りもの。

 最近ベランダに鳥の糞が落ちまくるので、干したままにして出掛けるのも心配だし。鳥よけCD、効果あるかな。

 

 もうこのまま夏が来るのかな?・・・そうはいかないだろ。

 

好きな画家

好きな作家は俵屋宗達、とこのNOTEBOOKのページを開設して暫くした頃(2005年)に書いたことがある。小学生のとき、風神雷神図屏風を見て妙な形体になんだかゾワゾワし魂を持って行かれた気分になった。
数年前に、もう一人好きな作家ができた。渡辺省亭だ。静岡県立美術館でアニマルワールドという展覧会があり、そのパンフレットが気に入り観に行った。そのパンフレットは若冲の描いたフグとカエルが相撲をとっている図で、滑稽で、これは観に行かなくちゃ、と出かけたのだった。そこに一緒に展示してあったのが、渡辺省亭。12か月の花鳥風月が並び、その画面のバランスやら、リアルな描写やら、何とも言えない魅力に見入ってしまった。私は絵を鑑賞することはあまり得意ではなく、いつもささっと見てしまうのだが、うわぁっというものに出会うとしばらくのめり込んでしまう。その省亭の展覧会が京橋の画廊で開催されると知り、雨で作業ができない休みの日を待ち構えて行ってきた。当時は絵師になるためにはまず「書」から筆遣いを学び、それができるようになってから絵を描くことを許されたのだそうだ。なんだか納得・・・。途中展示替えもあるらしいのでまた行かなくちゃ。

省亭は画壇に属さずそのせいであまり知られておらず評価も低い画家らしいが(ほとんどが海外に流出)、宗達も殿様にも仕えず異端だった。

そういう群れていない絵描きって、やっぱりいい絵を描くんだな。

・・・・・と、私も群れないとこだけは、自由にやれる気楽さから見習っているつもりなんだけど。