異国の地を見て歩き、そこの空気に触れたとき、たくさんの情報によって既に知ったつもりになっていたものは実は仮想のものに過ぎなかったと思い知らされるものだ。その場所と対峙していると、その土地のにおい、肌に感じる光の強さ、時代を超えて脈々と流れてきた未知の空間を感じとることが出来る。
視覚的に受けたものだけが優先されることなく、触覚的なものや、におい、そして、聞こえてくるもの、実際に肌で感じとったものを総じて色と形で組み立てられないだろうか、・・・そしてそこには当然、どんな素材を使うかということがモンダイになってくる。粒子と粒子と繊維と繊維、その微妙な絡み合い、混ざり合いが蓄積されて形を成していく。かさかさ、つるつる、ざらざら、ふわふわ、手で触らなくても、目で触っている。この感覚が私にとってはとても重要。素材が大切!
2006/2/5