水彩画を描くようになって、モチーフもいろいろ集まってしまったが、絵の具や紙もかなり増えてしまった。色は混ぜたり重ねたりすると無限に作ることが出来るが、この色を出したい!と思っても混色や重色では出来ない色というのもある。 それに、メーカーによって発色や滲み方も異なるし、癖もある。新しく手にした絵の具を使うときのドキドキ、その絵の具の色に触発されて描くことも多い。
紙も同様。 水をたくさん使う透明水彩では紙がどのくらい水を吸い込むかでだいぶ違ってくる。不思議な広がり方をしてくれる紙、思った以上の発色をしてくれる紙、吸い込んだら最後絵の具を逃がさない紙。こちら側の水加減で、紙がいろいろな答えをしてくれる。紙によっては、予想もしなかった答えを出してくることもあるし、その会話がまた楽しい。
版画もそうだが、自分の意志だけではどうにもならない部分、偶然や時間の流れによって あちら側が作り出してくれるものにとても興味がある。「創る」に対して「成る」というコトバがあるけれど、自分の非力をカバーしてくれてしかもいろんなアドヴァイスをしてくれる「成る」という要素が私は大好きだ。
2008.8.22